東京パートナーセンター
2017年入社
荒谷 房之介
東京エリアで働くエリア基幹職としてゆうちょ銀行に入社した荒谷は、代々木店で窓口サービスと渉外、目黒店で渉外を経験、現在は東京パートナーセンターの営業支援担当として、74局の郵便局を担当している。
配属された代々木店では、窓口サービス部で2年、渉外部(※)で1年を過ごした。トスアップする側から、トスアップされる側となり、荒谷はファイナンシャルコンサルタントとしての基礎を身に付けていった。
※現在は、窓口サービス部及び渉外部が統合し、金融サービス部
荒谷が銀行の仕事に興味を持ったのは、陸上競技部で会計担当を務め、約100人の部員の部費や寮費の管理をしていたことがきっかけだったという。初めて通帳を作ったのが郵便局だったこともあり、身近な銀行としてゆうちょ銀行に親近感があった。
「お客さまに近い位置で仕事がしたい、ゆうちょ銀行だからこそ感じられる安心感を提供したいという強い思いがあり志望しました」
配属は代々木店での窓口業務。払込、振込などの手続きを正確かつ迅速に行うことが基本業務だが、資産運用に興味のある方に声をかけて、渉外部へつなぐことも役割の1つである。これをトスアップと呼ぶ。荒谷は当初、これが苦手だったが、ちょっとした意識の持ちようで苦手意識がなくなった。
「お客さまに“売り込む”のではなく、ゆうちょ銀行のサービスについて“お知らせする”という意識で話しかけるようにすると、うまくトスアップできると気づいたのです」
代々木店は住宅地の中にあり、多彩な年齢層のお客さまが来店した。荒谷はそれぞれのお客さまに合った話し方や話題を心がけたという。
「高齢の方にはゆっくり話す、若い方ならクレジットカードのメリットについて話してみるといった自分なりの工夫をして、一人ひとりのお客さまを大切にしていました」
代々木店の窓口サービス部で2年を過ごした後、今度は同じ代々木店の渉外部に異動した。お客さまのライフプランに合わせて、中長期的な視点から資産運用のアドバイス提案をする役割で、ファイナンシャルコンサルタントと呼ぶ職種である。
「定額貯金の満期が近づいたお客さまに電話をかけ、来店予約していただき、資産運用について一緒に考えるのが基本スタンスです。いきなり資産運用の話をすることはなく、ご家族のことなどについて雑談をしながら、お客さまのライフプランやニーズを探り、どのような提案がお客さまに合っているのかを考えていました」
50代の女性Aさまとお話した際、投資経験がないことを踏まえ、運用リスクの低いタイプの投資信託を提案、成約につながったことがあった。
「実は1度だけお宅を訪問したことがあり、その際にお子さまの陸上競技用のシューズを見掛けたのです。そこで、自分も陸上競技をやっていた話をしたところ、お客さまとの距離をぐっと縮めることができました。その後、Aさまのご主人からも連絡があり、『妻から信頼できる人と聞いた。自分も話を聞きたい』と言っていただけたのは、担当者冥利に尽きる喜びでした」
ちなみに、その後荒谷は代々木店から異動したが、以前の仲間から「Aさま、今もいらっしゃっていますよ」と聞いた。自分の蒔いた種が、異動後もすくすく育っていることほど嬉しいことはない。
目黒店での1年間は、同期の仲間と情報交換しながら切磋琢磨できた楽しい時間だった。その後異動した東京パートナーセンターでは、営業支援担当者として、ファイナンシャルコンサルタントの経験を存分に活かしている。
代々木店で3年過ごした後、荒谷は目黒店に異動した。仕事内容は代々木店と変わらず、窓口でお客さまをお迎えするファイナンシャルコンサルタント。住宅街に立地し幅広い年齢層のお客さまが来店される点も代々木店に似ていたが、1つ異なるのは、目黒店には同期入社の仲間が数人いたことだった。
「同期の仲間がいるのはとても心強くて、情報交換しながら切磋琢磨していました。同期が成約したという話を聞くと、どんな方とどんなお話をしたのか気になります。自分も頑張ろうというモチベーションのアップにつながりました」
ある時、実績を上げている女性の同期社員がいたので、コツを聞いてみた。すると、説明にiPadを駆使していて、お客さまの反応がいいという。
なるほどと思い、早速、自分も採り入れてみたところ、iPadで示すデータが紙媒体で示すより、お客さまに伝わりやすいと感じた。
「目黒店に勤務していたのは1年だけなのですが、ちょうどコロナ禍で1日おきにリモートワークという時期でした。本当は同期の仲間ともっと交流を深めたかったのですが、それでも先輩や上司とはひと味違う深い話ができたと思います」
入社5年目を迎えた2021年、荒谷は東京パートナーセンターに所属する営業支援担当となった。パートナーセンターは、郵便局で貯金窓口の仕事をする人たちをサポートする組織で、事務手続を支援する担当者と荒谷のように営業支援の担当者がいる。
「私は世田谷区の郵便局74局を担当しています。貯金窓口にてゆうちょ銀行の商品のご案内をしてくれている日本郵便社員の皆さんの営業活動をサポートするのが役割です。アポをとって行くだけでなく、フラッと訪ねて声をかけるといったこともよくあります」
商品の特徴を伝え、お客さまへの声かけ方法などをアドバイスする。また、研修の講師を務めることもある。
「研修を受けた方が、『この前教えていただいた方法でアプローチしたところ、話が弾み成約につながりました!』と笑顔で報告してくださることもあり、非常にやりがいを感じます」
同時に、自分の仕事の先にお客さまがいるということを改めて感じたと荒谷は言う。
「直接お話するのは郵便局で働く人たちなのですが、自分の言葉1つで結果的にお客さまに影響を与えることになるのです。感謝の言葉をいただき嬉しく思いましたが、それだけでなく、責任の大きな仕事であることを今さらながら実感しました」
自ら直接営業するのでなく、その先のお客さまを思いながら、社員のサポートをする仕事を続けるうちに、社員の支援から育成へと、少し角度を変えたサポート業務に興味が芽生えた。まだ漠然としてはいるが、そこに自分の未来があるような気がしている。
パートナーセンターの営業支援担当は現在15人いるが、この15人がチームを組んで、おおむね月1回のペースで、東京エリア内の全郵便局向けにオンライン研修を企画・実行している。構成から講師選定まで、すべて自分たちで考えて実行する。全員、それぞれ担当する郵便局の営業支援に忙しいため、オンライン研修では役割分担して臨む。荒谷は前回、台本を担当、次回は資料作成を担当するという。
「オンライン研修に限らず、営業支援の時はいつもそうですが、専門用語を使わずに、分かりやすい言葉でお客さまに伝えましょう、ということを訴えています。特に、投資信託には専門用語が多く出てきますが、難しい言葉を使わないことが大切です」
15人のメンバーはふだん、それぞれ独立して活動しているため、オンライン研修の打ち合わせは、情報交換の貴重な場となっている。
「成功事例を共有したり、間違いが起きやすいケースを確認し合ったり、チームで取り組んでいるからこそ可能になることが多々あります。皆さんの仕事に対する熱量を感じる場ともなっていて、自分も頑張ろうという気持ちになります。全員で力を合わせて企画・制作しているので、多くの郵便局の皆さんに視聴していただき好評を得た時は、とても達成感を味わうことができます」
荒谷は入社以来、事務手続をしながらお客さまとの接点を持つ窓口サービス部、ファイナンシャルコンサルタントとして資産運用の提案をする渉外部、そして郵便局のフロントラインをサポートする営業支援担当という3つの職種を経験してきた。営業支援担当として3年活動してきており、次のステップのことを考える時期を迎えている。
「前日、エリア本部の育成担当の方とお話する機会があったのですが、その話し合いで感じたのは、社員のモチベーションを高めるようなサポート活動ができたらいいなということ。今も現場で働く人のサポートをしているのですが、どちらかというとノウハウの伝授が中心。別の角度からサポートする方法はないのか、まだ具体的なアイデアがあるわけではないのですが、漠然とそういう思いがあります」
荒谷がこう考えるのは、「その先のお客さまの満足」を視野に入れているからだという。
「ネット銀行が増え、デジタル化がどんどん進んでいます。ゆうちょ銀行もDXの取り組みを進めていますが、『窓口で相談できるから安心』とお話されるお客さまがたくさんいらっしゃることも肌で感じてきました。ゆうちょ銀行だから提供できる、ぬくもりのあるサービスを追求していきたいし、今後もなんらかの形でそこに貢献していきたいと思っています」
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