

地域リレーション統括部
2011年入社
N.T.

支店での窓口担当を振り出しに、リテールビジネスの営業推進を担当していたN.T.は、2019年から地域金融法人部、そして2023年には地域共創推進部に異動、現在はゆうちょ銀行の第3の柱となるΣビジネスに取り組んでいる。
CAREER PATH

新潟店に配属となったN.T.は、クレジットカード部門の優績者となり、窓口サービス部※に功績を残した。その後、信越エリア本部、さらには本社営業推進部において、リテールビジネスの営業企画立案を担当した。
※現在は、窓口サービス部及び渉外部が結合し、金融サービス部
ゆうちょ銀行に成長の可能性を感じて入社したN.T.の最初の配属は、新潟店窓口サービス部だった。来店されたお客さまのご用件を伺い、サービスを提供するが、新人ゆえにまごつくことも多く、お客さまをお待たせしてしまうことも少なくなかった。
「そんな自分にも、できることがありました。当時力を入れていた若年層向けのクレジットカードのご提案です。店舗近くにあった大学内の郵便局にお邪魔させていただき1日中、クレジットカードのご提案をしたこともあります。メリットや使い方を丁寧に説明すると、申し込んでくれる人も多く、クレジットカード部門の成績優秀者(優績者)として表彰していただきました」。
入社2年目、N.T.は長野市にある信越エリア本部に異動となる。エリア内直営6店舗の営業推進に関する企画を担当した。月次進捗について、店長や上司とディスカッションし、課題があれば解決に取り組む。例えば投資信託の販売で伸び悩む社員がいれば、上司や優績者に同行をお願いして、適切な助言をしてもらう。また、自身が1年目に受けた優績者の顕彰式の企画も手がけた。
「受賞者に心から楽しんでほしかったので信濃川を船で下りながら行う顕彰式を企画し好評をいただきました」。
この時期、店長など管理職の人たちと酒を酌み交わし親交を深めた。
「20代の若造が生意気な発言を多々していたにもかかわらず、50代の店長の皆さんは可愛いがってくださり、リテールビジネスの基礎を教えていただきました」。

2013年、N.T.は本社営業推進部に異動となった。直営店の営業推進にかかわる施策の検討、活動方針の策定、基盤整備が主な役割である。エリア本部で取り組んでいたことを全国レベルで行うことになった。
「信越エリア本部は6店舗だけでしたが、今度は全国13エリアの233店舗が対象。責任が格段に重くなったと感じると同時に、地域特性をよく考えて施策を打つ必要がある、そのために地域のことを学ばなければいけないと強く思いました」。
地方と都市部では人口動態が異なり、お客さまのニーズにも違いがある。競合する金融機関の戦略も異なってくる。だが、N.T.自身が直接それらを体感することはできない。
「店舗の方から教えていただくしかないと考えました。とくに店舗の管理者の方からは、様々な問い合わせ電話をいただくことが多いので、その時に用件だけですませるのではなく、必ず雑談することを心がけました。親しく話せる人間関係を築くと、いろんなことを教えてもらえるようになります。『こんなふうに考えたのですが、どう思われますか』と持ちかけると、『うちの地域では‥‥』という話になって、様々な情報が集まるようになりました」。

入社7年目の2017年、N.T.は当時の新組織である金融法人営業部に異動し、地域活性化ファンドにかかわることになる。ファンド運営会社にも出向したが、ここで社会人生活のターニングポイントとなる体験をすることになった。
2017年、N.T.は金融法人営業部・地方創生ファイナンス室※に異動となった。主に地銀など地域金融機関が組成する地域活性化ファンドに、ゆうちょ銀行も参加することができるようになったことを受けてできた新しい組織である。ゆうちょ銀行が最初に参加したのは、熊本地震からの復興支援を目的とした「九州広域復興支援ファンド」で、地方創生ファイナンス室が設立される前年のことだった。こうしたファンドに積極的に参加していくために、新部署を設立したわけだ。
「地域への資金循環により、地域経済の活性化を目指した取り組みです。できたての部署だったため、確立されたビジネス手法はなく、地域活性化ファンドに関する情報をキャッチすると、メンバーで議論しながら走り出すといったイメージでした。それまで内向きの仕事しかしてこなかったので、初めて外向きの仕事をすることになり、新鮮な気持ちでした」。
地域活性化ファンドへの参加は、お客さまの大切な資金を地域に循環させることを目的としたものであり、必ずしも高い収益を目指したものではない。
「もちろんお客さまからお預かりした資金の運用なので、堅実に運用していくことが求められますが、地域社会への貢献という側面も強く、社会的な意義を感じられる、やりがいに満ちた仕事でした」。
N.T.たちが奔走して基礎固めをした結果、2025年3月末の段階で、ゆうちょ銀行が参加した地域活性化ファンドは55件にのぼっている。
※現在は、投資事業推進部

地域活性化ファンドは、ファンド運営会社が集めた資金を事業会社に投資し、配当を得る仕組みである。そこでファンド運営会社は投資案件の発掘から投資実行、投資先のバリューアップに取り組む。N.T.は2018年、こうしたファンド運営会社の1つに出向することになった。ゆうちょ銀行のN.T.と名乗るのではなく、ファンド運営会社の一員として担当先の事業会社の人たちと向き合うことになった。
「ここで自分のターニングポイントとなる経験をすることになりました。担当先に3か月常駐し、各セクションのキーマンと対話、課題を洗い出して解決に向けたロードマップの作成に取り組んだのですが、難しかったのは本音で語ってもらうことでした。思うように本音が引き出せないのは、信頼関係が構築できていないから。ここで初めて、それまでの自分は、“ゆうちょ銀行”というブランドに助けられていたのだと気づいたのです」。

N.T.が出向したファンド運営会社の行動規範の1つに『簡単に分かった気にならない。分かったフリをしない』という趣旨の言葉があった。思い返してみると、かつての上司も同じような言葉を語っていたのだが、その時はその意味がよく分かっていなかった。ブランドを脱ぎ捨てた時に、真の仕事の力が試される。まだまだ自分は“分かっていない”ということを思い知る貴重な1年間だった。

金融法人営業部で、地銀と連携して取り組むビジネスを展開したN.T.は、2023年から地域共創推進部に移り、ゆうちょ銀行として第3の柱となるΣビジネスに挑戦することになった。新しいビジネスだが、N.T.の夢はさらにその先にある。
出向を終えたN.T.は、2019年、地域金融法人部に戻った。地域金融法人部の役割は、地銀などの地域金融機関と一緒にビジネスをつくっていくこと。地域活性化ファンドへの参加はその1つだが、ほかにもシンジケートローンへの参加、ゆうちょ銀行・日本郵政グループの持つネットワークを活用いただく連携、といった様々な切り口でビジネスを進めている。
「ゆうちょ銀行としてはもちろんですが、日本郵政グループとしてお手伝いできることはもっとあります。地域金融機関さまから取引先さまの物流課題や販路課題をお聞きした際には、ゆうちょ銀行としてのソリューションにとらわれず、日本郵便の物流サービス・販路関係の担当者を紹介するなど、少しでもお役に立ち、信頼してもらえるよう貪欲に取り組みました」。
地銀とのリレーションを構築するため、N.T.は足繁く通うことを基本とした。ゆうちょ銀行にできること、日本郵政グループとしてできることはいろいろあり、地銀の側にも様々なニーズがある。雑談する、分からないことを教えてもらう、分かったフリをしない。これまで培ってきたN.T.なりのコミュニケーションスタイルを発揮して、信頼関係を深めていった。

2023年、N.T.は地域共創推進部へと異動になった。投資を通じた新しい法人ビジネス『Σビジネス』に取り組む部署である。Σは総和を意味するが、Σビジネスはゆうちょ銀行が生みだした新しい言葉である。
「ゆうちょ銀行は、企業への直接融資は行っていません。しかし、ファンド出資は可能です。そこで、投資ファンドを設立して積極的に資金を供給していくことになりました。Σビジネスは、リテールビジネス、マーケットビジネスに続く、ゆうちょ銀行第3の成長エンジンと位置づけられています。地域経済発展のため、『眠れるビジネス』をプロデュースしていく仕事です」。
Σビジネスは、①投資先の発掘、②投資事業、③マーケティング支援で構成されるが、当時、地域共創推進部では②、③の基盤整備を担っていた。
「私の中心業務は②で、グループ企業であるJPインベストメント株式会社や、その他社外の共同パートナーと協議しながら、地域企業の資金ニーズに対応できる投資ファンドの企画・検討をしていました。現在は部の再編により投資事業推進部に引き継がれ、ゆうちょキャピタルパートナーズ株式会社の設立など、さらなる発展を遂げています」。
2024年、地域リレーション統括部へと異動となり、Σビジネスを支える基盤システムを開発することとなったN.T.は、ファンド出資を通じて資金供給するだけでなく、企業の課題を解決していく仕事をしたいという夢を持っている。
「出向経験も踏まえて、投資先の企業の成長にかかわる仕事をしてみたい。将来的にゆうちょ銀行として取り組んでいく、またはグループ企業として取り組んでいくのか、まだ分かりませんが、夢が実現するなら所属にこだわらず、企業の成長・発展をサポートしていきたい」。
※所属部署名等は、2025年4月末時点
CAREER
キャリアモデル