総合職の先輩のキャリア

デジタルサービス推進部
2010年入社

金子 裕之

岐阜支店で社会人生活をスタートさせた金子は、2年後、異動の際に上司からプレゼントされた本のタイトル『置かれた場所で咲きなさい』を人生訓として今も大切にしている。様々な部署を経験してきた金子だが、その先々で花を咲かせている。

EPISODE 01 郵便局のことを学ぼうと 自転車で走り回った日々

郵便局のことを学ばせてもらいながら、新入社員でも、何かお役に立てることを探そう! そんな想いを胸に、多くの人とコミュニケーションを図りながら、金子の社会人生活はスタートした。

同期のネットワークに助けられ
新規システムの操作を支援

金子の最初の配属先は岐阜支店だった。担当する郵便局に対して業務支援をする役割だが、新入社員がいきなり業務支援などできるはずもなく、金子は足繁く通うことだけを心がけ、とくに支店近隣の郵便局には自転車に乗って出かけていた。

「『何かお困りごとはありませんか』と聞くわけですが、人間関係ができていなければ答えてくれるはずもありません。『東京から来た新入社員です。いろいろ教えてください』というスタンスで臨みました。とにかく郵便局のことを学ぼうと考えていたので、生命保険の担当者に限らず、相手をしてくれそうな人に話しかけていました」。

そんなことを繰り返しているうちに、だんだん困り事を相談してもらえるようになった。ちょうどそのころ、新規契約に関する新システムが導入され、端末操作が分からない人が金子に質問してくるようになった。

「自分も分からないことがあったので、同期の社員の中で新システムに精通した部門に配属された仲間に連絡し、マニュアルには記載されていない背景などまで聞き出し、郵便局の人に伝えました。単に操作方法だけでなく、なぜその操作が必要なのかまで掘りさげて説明すると、納得感につながったようで、感謝されました。私は150人もの同期社員がいたのですが、入社前から内定者幹事を引き受けて同期とのネットワークを構築していたこともあり、システムに関すること以外でも、とても役に立ちました」。

お世話になった上司から贈られた
1冊の本が人生の道標になった

岐阜支店で過ごした2年間のうち、最後のころに金子は2つの思い出がある。1つはテレビなどでも活躍する著名な接遇講師に講演を依頼し、実現にこぎ着けたことだ。

「お世話になった皆さまの役に立つようなイベントを企画したいと考え、上司の許可を得て手配しました。岐阜県は結構広いので、市外の郵便局からだと講演会場となる岐阜市まで2時間くらいかかるところもあるのですが、そうした遠方からもたくさんの人が参加してくださって感激しました」。

もう1つの思い出は、いよいよ岐阜支店から東京に戻るという時のこと。お世話になった上司から1冊の本をプレゼントされた。

「渡辺和子さんという方がお書きになった『置かれた場所で咲きなさい』という本です。移動の新幹線の中で早速読んだのですが、その後のキャリアの中で、この本のタイトルに示されている精神は、自分の中でとても大切にしています。総合職の社員は部署の異動が多いのですが、正直、次にどんな部署に異動するかは分かりません。それまで興味のなかった分野を担当することもあるわけです。そんな時でも、その部署・勤務地で自分にできることは何か考え、精一杯、花を咲かせようではないか。この本を読んで以来、ずっとそういう気持ちで仕事と向き合っています。異動する新人に餞の言葉として贈ってくださった本でしたが、私の人生の道標となっています」。

EPISODE 02 本社企画部門における 異なる二つの体験

新契約サービス部、デジタルサービス推進部と本社の異なる部署で企画業務をすることになった金子。法律への対応、お客さまサービスの改革、といった生命保険業に求められる多様な側面に触れることになった。

モラルリスクの高い契約について
厳格なルール作りで対処

入社3年目、金子は新契約サービス部に異動となった。新契約サービス部で金子が担った役割は、生命保険として不適切な契約を結ばないようにルールを作ること。健康状態によって契約が難しい場合もあるが、それは別のチームが担当しており、金子が所属したチームでは、反社会的勢力との契約やマネー・ローンダリングにつながる契約など、モラルリスクの高い契約を結ばないようにすることを目的としていた。

「契約の諾否判定の基準を策定することと、そのためのシステムおよび事務フローの策定が主な役割でした。それまで支店で仕事をしていたので、支店と本社では仕事の仕方が違うのだ、ということを痛感しました。支店では郵便局に出向いて、自分ができること、求められることを実行に移すのが仕事のスタイルだったのですが、新契約サービス部では、法令に従って厳格なルール、審査の手順を定めなければならず、ミッションが明確化されていました」。

戸惑いながらも金子は「置かれた場所で咲く」精神で奮闘した。

「入社前はもちろん、この部署に配属されるまで、生命保険のこうした側面まではよく把握できていませんでした。保険金詐取など犯罪に絡む話も少なからずあり、モラルリスクの高い契約を結ばないための仕組みづくりは、多くの契約者と会社の信頼関係を守る意味で、とても重要な仕事だと気付かされました」

ユーザーに寄り添うだけでなく
こちらからの提案を心がけ

新契約サービス部で5年半過ごした金子は、デジタルサービス推進部に異動、DX(デジタル技術を活用したビジネスモデルの変革)に挑むことになった。最初に担当することになったのは、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)の推進である。

「そもそもRPAとは何ですか、という声が多い中、自らが講師となり勉強会を開くところから始めました。当時、RPAとは何ができるのか、導入するとどんなメリットがあるか、イメージしてもらうことを心がけて説明しました。RPAは一言で表現すると、業務の自動化。複数のシステムを連動させて、それまで手間のかかっていた作業をボタン1つでできるようにしようというものです」。

業務の効率化につながるもので、金子はRPAを社内の様々な部署に適用していく役割を担っていたが、部署によって受け止め方には温度差があった。

「『残業が多くて困っているのでぜひRPAで業務を効率化したい』と思っている部署もあれば、『本当に効率化につながるの?』と懐疑的に受け止める部署もありました」。

積極的に導入したいと考えている部署から順に展開していったが、その際に金子が気をつけていたことがある。

「私の役割は、ユーザー側のニーズを掴んだうえで、ユーザーが使いやすいものをつくり上げること。RPAを構築をする技術者とユーザーとの橋渡し役を務めるわけです。時にはRPAの導入提案だけではなく、現状の業務フローの課題を指摘し改善提案を行うなど、ユーザーへの作業負荷を軽減するアイデアを提案し、積極的に業務企画を推進してきました」。

EPISODE 03 自社発信のメディアを通じて CX(お客さま体験価値)を高めたい

デジタルサービス推進部の部署内異動により、金子はかんぽ生命のオウンドメディアの戦略策定を担当することになった。自社発信のメディアを用いて、CX(お客さま体験価値)の向上を目指す役割である。

セキュリティを確保しながら
いかにして利便性を確保していくか

かんぽ生命のオウンドメディアには、契約者向けWebサービス「マイページ」、健康応援アプリ「すこやかんぽ」、かんぽ生命コーポレートサイトなどがある。金子はこれらの運用、プロモーション、機能向上などの企画を手がけることになった。

「生命保険は長い期間にわたってお客さまの人生をサポートしていくものですが、契約内容詳細を常に記憶しているお客さまはなかなかいません。保険証券を確認すれば分かりますが、多くの方は引き出しや金庫にしまっていて、確認する機会は滅多にありません。私たちは今、「マイページ」の利便性を向上し、契約内容の確認や住所変更などの各種手続きをWeb上で簡単にできるようにしようとしています」。

また、契約者が高齢になると、家族が代わりに内容を確認したり、手続きをしたりというニーズもある。セキュリティを確保しながら、いかにして利便性を高めていくかという問題と向き合っている。

一方、健康応援アプリ「すこやかんぽ」でも、よりユーザーに喜んでもらえるような仕掛けを検討しているところだ。

「『すこやかんぽ』は万歩計として活用されていて、一定歩数以上歩くとコンビニエンスストアで使えるクーポンがもらえる仕組みですが、例えば一定歩数に近づいた時に『あと少しですよ』と背中を押すようなメッセージを届けるなど、途中で挫折しない仕掛けを加えたいのです。健康寿命を伸ばすことに、少しでも貢献できればと考えています」。

メンバーの成長を願い呼びかけている。
「もう一歩踏み込んで考えてみよう!」

2022年4月から、金子はオウンドメディアの戦略策定を担当する課長に昇進した。3人のチームメンバーの成長を願い、管理職としての工夫を重ねている。

「私たちの部署では、システムを構築する人たちとコミュニケーションを図る場面が多々ありますが、コンテンツを企画する私たちとは観点が異なるので、意見がいつも一致するわけではありません。私たちの企画に対して、別の観点から指摘を受けた時に、そのまま企画を撤回するのか、問題を回避する方法を考え出して企画を実現するのか、分かれ道となります。そんな時に、あっさり諦めるのではなく、企画を実現する観点から工夫の余地はないのか、『もう一歩踏み込んで考えてみよう』とメンバーには伝えています」。

金子は企画案を作成する日常的な場面でも、この姿勢を貫いている。

「修正点がはっきりしていて、自分で直したほうが早い場面もあります。でも、あえて具体的な指示を出さず、メンバーにもう一度考えてもらう。そうすることで、メンバーの思考が深まり、成長につながると思うからです」。

オウンドメディアを担当するようになって、利用者からのダイレクトな反響が届くようになった。

「かんぽ生命は全国津々浦々にある20,000を超える数の郵便局ネットワークと、1,900万人を超えるお客さまを有しています。様々なお声をいただくたびに、仕事の影響力の大きさを実感しています。かんぽ生命にしかできないスケールの大きな仕事を楽しみながら、置かれた場所で精一杯咲こうと思っています」。

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